【トピックス】出張旅費規程
2023-08-10

出張旅費規程について

 出張にかかった宿泊費や交通費などの出張経費や、出張中にかかった食費等を補助するための出張日当を精算する手続きが出張旅費精算です。
 出張旅費精算を行う際に基準となる規定が出張旅費規程となります。

【出張旅費規程を作る目的】

 ① 出張旅費精算における基準額の規定
  出張には宿泊費や交通費などの出張経費がかかります。出張経費の一日の基準額を設定することで高級ホテルや不必要に高額な交通費などの請求を防ぐことができます。

 ② 法人税等の節税対策
  出張旅費規程がない場合は実費しか経費として認められませんが、出張旅費規程がある場合は出張手当も経費とすることができます。また実費を超える出張手当は出張者の課税所得となってしまいますが規程があれば非課税所得として扱うことができます。

【経理処理】

 ①支払い側(会社)
  旅費規程あり→経費計上(消費税課税仕入れ)
  旅費規定なし→経費計上は実費のみ(実費以上は消費税不課税)

 ②受取側(出張者)
  旅費規程あり→非課税所得
  旅費規定なし→実費以上は課税所得


【出張旅費規程の注意点】

 ① 対象は役員だけでなく全社員であること
  一部の社員だけを対象とした規定だと、経費として認められず税務署に否認される可能性が高くなります。
  ※個人事業主の場合、本人へは適用出来ませんのでご注意ください。

 ② 規定通りにきちんと運用していること
  取締役会で承認を得た上で全社員に周知し、規程通り全社員が運用することが必要です。

 ③ 日当が著しく高額でないこと
 同業種、同規模の会社と比較して相当な金額である必要があります。
 目安としては、公務員の国内旅行への宿泊料を含めた日当の上限が25,000円程度(年により変動)と法律で定められているため、その金額を上回らないように注意しましょう。具体的な金額設定についてはご相談ください。

※相場を逸脱した高額な出張手当は所得税の課税対象となります。また高額な出張手当の対象が役員の場合、役員賞与に該当してしまい損金(経費)にすることができなくなってしまうので気を付けましょう。

出張が多い会社は特に節税のメリット、効果が出てくると思われますので検討してみてはいかがでしょうか。
出張旅費規程の作成の際に気になることがございましたらご相談ください。