【トピックス】福利厚生費について
2022-12-23

福利厚生費とは、企業が給与や賞与以外に従業員のために利用する費用です。
業務には直接関係しない費用で、社員旅行費や健康診断費用などが該当します。
今回は、福利厚生支出を経費とするための注意点などをお知らせします。

【経費となる条件】
①役員を含めすべての従業員が利用できるものでなければならない
②金額が社会通念上、常識と考えられる範囲であること
③内容が現金、金券など換金性の高いものではないこと
 ※当てはまらない場合には金銭以外で支払われた給与として扱われ、所得税の課税対象となります。
 ※個人事業では家族以外の従業員が在職していない場合、福利厚生費が認められないケースがほとんどです。

現在は新型コロナウイルスワクチンの接種費用が公費で接種できていますが、インフルエンザなどと同じように一部を負担する定期接種に移行された場合には、企業側が接種費用を負担するなど、今後は必要になってくると思います。
福利厚生費となる支出がある際には従業員に対する給与とみなされる可能性もありますのでご相談ください。

【福利厚生費(経費)に該当する費用例】
◉社員旅行・・4泊5日以内かつ全従業員の50%以上が参加であることが必須
 ・旅行内容が社会通念上一般的であること
 ・金額に上限はないが一般的に1人につき会社負担10万円程度まで
 ・自己都合での不参加者に対して現金などを支給した場合、不参加者・参加者ともに支給金額分が給与とみなされる(会社都合での不参加の場合には不参加者のみ給与とみなされる)
 ・配偶者や子供など家族が同伴する場合の旅費は会社が負担してしまうと給与とみなされる(家族分は参加者個人が負担すること)
 ・日程表やパンフレット、出欠確認等の社内案内など証拠書類を保管しておく
 ・家族従業員のみでの旅行は、単なる家族旅行とみなされる可能性大

◉新年会、忘年会など・・・全員に参加資格があり、相当数の人数が参加していること、一般的な金額であること、参加者への現金支給ではないこと
 ・出欠確認等の社内案内などの証拠書類の保管をしておく
 ・特定の部署だけが会を開いている場合には経費として認められない可能性あり
 ・役員のみや少人数の場合、内容が豪華すぎる場合や開催頻度が高い場合に給与とみなされる

◉食事代の補助・・・食事代の企業負担額1人あたり月3,500円(税抜)以下かつ
         従業員本人の負担額50%以上であることが必須
 ・現金を支給した場合には給与とみなされる為、食事そのものや食事券などを支給する
 ・勤務時間外の食事代は、現物支給の場合、従業員本人の負担なしでも全額福利厚生費

◉健康診断、予防接種・・・全従業員が対象で、企業が医療機関に直接費用を支払う
 ・健康診断の金額は5,000~15,000円程度が妥当、人間ドックも福利厚生費の対象となるがオプション付などで高額になると給与としてみなされる(社内規定を設けるとよい)
 ・従業員が費用を立て替えた場合は給与扱い(領収書の宛名が企業名でないと福利厚生費とならない)

◉制服、作業服・・・業務上必要となるもの、私用には着用しない又はできないもの、社名や屋号、ロゴマークが入っていることなど
 ・スーツは実際には業務上でしか着用しないとしても、私用にも着用が出来るため福利厚生費とならない(社名入りなど一目で従業員だと判別できる場合は福利厚生費となる)

◉その他 出張手当、慶弔見舞金、社宅などは規定を作るなどしておく。