税法の改正は毎年行われています。
【税制改正大綱】と言う名称で閣議決定され、その翌年の国会審議を3月下旬に通過して法案は成立します。
今回は令和2年度の税制改正の中からいくつかご紹介いたします。
1.法人税
①交際費等の損金不算入制度の特例の延長
中小法人に対する年間800万円までの全額損金算入制度が、令和4年3月31日まで2年間延長されました。
2.所得税
①未婚のひとり親への対応及び寡婦・寡夫控除の見直し(令和2年分より適用)
ひとり親に対し一定の要件を満たす場合に『ひとり親控除』が適用されることとなりました。
※従来は婚姻歴があり一定の要件に該当する人に限り『寡婦・寡夫控除』が適用されていましたが、『寡婦・寡夫控除』の控除額も令和2年分より改正されました。
なお、所得金額が500万円超の場合はどちらも適用されません。
②国外中古建物に係る不動産所得の課税の適性化(令和3年分より適用)
国外の中古建物を使った節税策(減価償却費の計上)について規制されます。
③低未利用土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の特別控除制度の創設(令和2年7月1日からの譲渡に適用)
個人が一定要件の低未利用土地等を譲渡した場合(親族間の譲渡は除く)、譲渡所得金額から100万円を控除することができます。
④国外居住親族に係る扶養控除の見直し(令和5年1月1日より適用)
所得税の扶養控除は、16歳以上で一定の要件を満たせば国外に居住している親族も適用されます。
この点で所得要件に国外所得が含まれない為、国内居住者に比して要件が緩いとの問題点を改正する目的で一定の要件が定められました。
●令和2年分から適用される過去の税制改正
1.青色申告特別控除
65万円 ⇨ 55万円 ※電子申告等の要件により65万円
2.基礎控除
一律38万円 ⇨ 原則48万円 所得2400万円超は段階的に引き下げ
3.給与所得控除
・改正前より10万円引き下げ
・上限の引き下げ 給与収入金額 1,000万円超 ⇨ 850万円超
控除額 一律220万円 ⇨ 一律195万円
※給与収入850万円超で介護や子育て世代向けに新たに所得金額調整控除も創設されています。
4.配偶者控除・扶養控除の対象配偶者・親族の所得要件
38万円以下 ⇨ 48万円以下
5.配偶者特別控除の対象配偶者の所得要件
38万円超123万円以下 ⇨ 48万円超133万円以下
今回の内容について、要件など省略しておりますので、詳しくは当事務所までお問合せ下さい。
2020年度税制改正について
2020-10-22